鈴木です。
今回はケーススタディです。
オフィスで、AさんとBさんが口論していたところに、
そこに自分が社外から戻って来たとします。
Aさんは、Bさんの間違いを指摘し、より強い反省を求めています。
「何でこんなことになったんだ。どうすんだよ。」
私にもそれに同調することを求めます。
「どう思う?考えられないよな。」
Bさんは、Aさんの横柄な物言いに腹を立てています。
「もう分かったよ。でも、そんな言い方はないだろ。」
私にも理解してもらおうとします。
「どう思う?さすがに感じ悪いよな。」
2人から同調を求められ、
私は、態度を決めることになります。
<Aさんに同調>
Bさんが以前も間違いを起こしていて、自分も被害に遭ったことがありました。
この機会にちゃんと反省してもらおうと、
「Bさん、しっかり反省しろよな。周りにも迷惑がかかるんだよ。」
<Bさんに同調>
Aさんのキツイ性格は社内でも有名で、そのせいで、社内の雰囲気が悪くなることがよくあります。この機会に釘を刺しておこうと、
「Aさん、言い過ぎだよ。言い方を考えないと。」
<Aさんに同調した場合の結末>
Bさんは悔しい思いをします。
「もう分かってるのに、周りの人まで一緒になって、責めるのか。やってられないよな。」
<Bさんに同調した場合の結末>
Aさんは悔しい思いをします。
「言い方には多少問題があるかもしれないけど、間違ったことと、ちゃんと反省してないことが問題だろ。周りの人まで何で問題をすり替えるんだよ。」
その場は、2対1となって、多数となったほうが口論に勝つケースが多くなりますが、
負けたほうに不満が募り、対立が禍根を残します。
こんな結末でいいのでしょうか?
そもそも、自分がしたかったことは何でしょうか?
口論には巻き込まれたくない?
どちらが正しいのか裁定したい?
相互理解に導きたい?
口論に巻き込まれたくないなら、
ノーコメントで全く関わらないのがいいでしょう。
どちらかが正しいと裁定したいなら、
どちらが正しいと同調するのがいいでしょう。
相互理解に導きたいなら、
お互いに理解できるように、収束させるのがいいでしょう。
相互理解に導きたい人が多いのですが、
行動を間違えてしまい、どちらかに同調し、裁定してしまうケースが多いように思います。
自分の目的と行動が不一致なため、相互理解という目的と逆行する結果に繋がっています。
目的が相互理解なら、相互理解に収束させるように行動すべきなのですが、
Aさん、Bさんの要望に応えてしまい、どちらかに同調してしまう。
自分の目的を忘れずに、周りに振り回されず行動することの大事さを考えさせられます。
ちなみに、相互理解に導くためには、どのように行うのが適切なのでしょうか?
Aさんに何を怒っているのかを聞いてみると、
「Bさんの反省が足りない。以前から同様の間違いを繰り返している。」
ということのようです。
では、さらに、「どう反省するべきなのか」「間違いを繰り返さない方法」を聞き取ります。
Bさんには、Aさんの気持ちを客観的に伝え、反省点と再発防止策を共有します。
Bさんに何を怒っているのか聞いてみると、
「Aさんはいつもキツイ。他人の気持ちも考えずに、言い過ぎだ。」
ということのようです。
では、さらに「どういう言葉が辛いのか」「どんな風に言って欲しいのか」を確認します。
Aさんとは、傷つく言葉と受け取りやすい表現を共有します。
それにしても、自分は何をしたいのか、そのためには何をすべきか、
目的と行動を一致させることは、なかなか難しいですね。